わが家にコンソール5が持ち込まれました consoleVは今から約30年ほど前につくられたFCC規格のCB無線機です 症状は32chから上に行くと電波が出ないという とっても怪しい雰囲気です. これを聞いて制御のICがおかしいと思う人は多いかと思います。あげくになぜだか抵抗が燃えたという追加情報もあります ますますもって制御部があぼーんしている可能性が高いです。 到着 さて、私のところに到着してから外観のチェックです どんな症状になっちゃっているでしょうか? ConsoleVはSA−28の基板を利用した固定用無線機です SA基板に用意されているNL(ノイズリミッタ)やNB(ノイズブランカー)などが単独でON/OFFすることができたり ch9の機能が使えるのはほかの機械にはありません またー5khz機能はついていません。 表示のLEDはSAと同じHPのものです 製造番号の書式をみても日本電業製というのがわかりますね 電源内蔵の機械はいきなり電源をいれると電源部分も壊れてしまうことがありますのでまず 中を開け 監視しながら電源をいれます もし、加熱した部品などがあればすぐに対処することができます。 上ふたをあけると ボンド鋼板でつくられたケースが見えますこのケースを外すとSAの基板の裏面が見えます。 基板を見るためには 下のふたを開ける必要がありここではじめて全体をみることができます
基板番号確認 間違いなくSAの基板です 電源を入ながらみてみると、 一見 正常に作動をしているっぽいですところが送信してみると なにかへんです。電波が安定してないです とりあえずPLLからみてみるかと思いふたをあけたてユニットを持ち上げたときに パシッ!! ショートしたような感じです ?・・・・なんだこれ そーっとPLLユニットを元に戻し、PLLの周波数を1chから順番に測定します。「ちゃんと出ているなあ」 そうおもって電圧を測定するとー5V程度になっています あれれ おかしい ここは4Vはあるはずなのに・・ 基板の裏をプローブでつまもうとするとやっぱり ばしっつ! ときます はあ? そこでGNDとシャーシーの間の電圧を測定してみるとなんと12V出ています シャーシーが12Vになっています それでも動いているというのは実はCB無線機の構造に秘密があります。 CB無線機というと違法のイメージが強いですがじ市場規模でみれば アマチュア無線より10倍も20倍も大きく、その規模は世界中に広がります。 当然 それらの地域の中にはプラスアースの車も存在するため、シャーシーは電源のマイナスから浮いており、シャーシが12Vでも無線機としては作動するのです。 これは どこか+12Vがシャーシーにくっついているにまちがありません SA基板には変調トランジスタやドライブトランジスタなどいろいろところから+12vがショートする可能背がある場所がありますので これらを1つ1つ確認していきます と み始めたところ、ドライバのその手前の2SC1449をみると 最近交換されたような後がありグリスが山の様に塗られています そしてマイカシートが見えません <うーこれだ!> ねじを外してみるとシートがなく直接ねじで固定されています ショートの原因特定です まずグリスをふき取り シートを敷き直しました グリスははみ出るのは無駄ですしのでほんのちょっとだけで大丈夫です これでシャーシーGNDへの電気流出はとまりました 当然コレクターにつながった巨大なシャーシーは高周波でGNdされていることになりますのでなんかへんな電波になっていたというわけです 放熱グリス 放熱グリスはたっぷりと使うというようなことが書かれていた本もありますが グリスは金属と金属に密着を助ける程度でそれ自身ではそれほど伝熱はおこないません そのためグリスをべっちょり塗っても何ら意味のないことになります 逆にグリスを大量に塗りつけるとトランジスタと放熱面の間にに大量のグリスが入り込みます 厚いグリスの層が出来上がり、結果放熱性が悪くなります こんなことするなら塗らずにねじでしっかり締め込んだほうが放熱効果は高いです グリスは密着率を高めるものなのでグリスはシートの両面に薄く塗ることにしましょう さて1つ原因が特定できたので電源を入れてパワーそ測定してみると 最初の不安定さはなくなり安定してパワーがでいます まあ考えればドライブのコレクターに巨大なコンデンサーがくっついていたわけですから、不安定にもなりますわな 電力を測定してみるとAMの無変調で3.5w程度となり 1ch−40chが全体で3.5wで収まっていますのでよく調整されているといえるでしょう SSBのピークは10w−11wでいい感じにパワーがでています あえて調整をする必要はなさそうです 燃えた抵抗 さて 抵抗が燃えた原因を今度は探ります SAのR832はチャンネルやディスプレイへ6Vの電圧を加えるためのものでPLLユニットから6Vをもらって電圧をつくります この差分の電圧を抵抗でドロップさせるためのもので 1w 4Ωの抵抗です 実ははこの抵抗 計算してみると1wでは少々物足りなく電源電圧をホンのちょっと上げるとたちどころに燃えあ上がる抵抗です AVRである2sC1014を測定してみると5Vちゃんと出ています・まあここの電圧が5V程度ということは ままあることなので問題なしと判断して、今度は そのままの状態で送信すると 3V程度まで電圧がさがります あれれ。 それに大量のリップルがのってきます 2SC1014の電圧の元はPLLユニットの中の6Vですが この6Vが落ちればPLLユニットもちゃんと作動しません。 送信時の発振という不思議な症状なのですが PLLユニットをぎゅっと押すと発振がとまります なるほどこのへんのハンダ不良ですね よくみると電解コンデンサーの足が浮いているようにみえます ここをハンダしたところ発振症状がおさまりました 32ch以上がNGという症状がじつはチャンネルを上の方にするとPLLユニットが正常に作動しなかったということでしょう。 さて、こうし修復が終了したので記念撮影 いまをさかのぼること30年も前、日本の片隅でつくられた無線機がこうして生き長らえていることは無線機にとっては幸せでしょう 無線機製造から30年が経過しました いくつか目立つ症状が多くなりました コンデンサーのドライアップ 電解コンデンサーの故障によく言われるのがドライアップという症状と液漏れという2つの相乗症状です ドライアップは内部の電解液が蒸発してしまうという減少、液漏れは電解液がしみだしてしまうという現象でです、CB無線機の製造された時代の電解コンデンサーは液漏れすることは少なく ドライアップのような症状をおこします そのため希望の容量がどんどん下がってしまい必要な容量が取れなくなります フィルムコンデンサーの外装割れ フィルムコンデンサーは電極と絶縁板を巻いたロール状態になっており。それが固められています この固めている外装が割れ始めているの見るようになりました。外装が割れるも内部が露出しやはり容量が減ってしまいます
記念撮影
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