コンソールVI(シックス)その4

第4回目   2008年11月08日

 

コントロールICの修復

 さていよいよPLLブロックの修復をしなくてはなりません。しかしPLLユニットは丸ごとなく、コントロールICすらないので、まず このコントロールICであるMM5799NBRを調べてみることにしましょう。

ネットで検索してみると、たくさんのMM5799が見つかります。

データシートなどもえられるのですが、残念ですが等価回路などは得られるものではありません。

そこで、回路図から起こしてみました。

MM5799NBRのピン配置

 

K1入力(タテ): キーボードの横の列マトリクス
k2入力(タテ):ス キーボードの横の列マトリク
K3入力(タテ): キーボードの横の列マトリクス
K4入力(タテ):キ ーボードの横の列マトリクス
RB: 受信ラインから1kの抵抗を接続されて供給
NC   
クロックIN 312.5kHz    74c93で5MHZを分周した信号が入る
P4出力   
SQ    :I C801で合成される
10 SQ    :I C801で合成される
11 MCLR : パワーONリセット
12 1位表示イネーブル    信号Hでラッチ Lで書き直し
13 10位表示イネーブル    号Hでラッチ Lで書き直し
14 P5出力  
28 S1入力(ヨコ): キーボードの横の列マトリクス
27 S2入力(ヨコ): キーボードの横の列マトリクス
26 S3入力(ヨコ): キーボードの横の列マトリクス
25 S4入力(ヨコ): キーボードの横の列マトリクス
24 SQ入力  
23 K4への入力 : ダイオード1本でk4ラインへ信号を送っている
22 nc: 最初から空き
21 GND  
20 P3(D)  
19 P2(C)  
18 P1(B)  
17 P0(A)  
16 P6  
15 電源(VCC)  

 

 

 

また出力は バイナリーなのですがチャンネル表示させるために非常に凝ったつくりになっています、 

7ビットのデーターラインの下4ケタがPLL部と共通化されています

PLLの分周比は連続出力ですがチャンネル表示は1桁づつBCDを出力してディスプレイドライバICのラッチを利用して表示させています

そのためチャンネルを変更するときに

一瞬「ぷっ」という途切れる音がするディスプレイの更新のための音だったのですね

 

まずこれを直さないとPLLユニットに手を出すことができません

PLLユニットへ渡すのは7ビットのバイナリーデーターのはずなのですが配線を追っていくといくつかの不思議な抵抗や回路があります。(あとでわかるんですが)

  SA28ならともかくワンダーをここまで詳しくみたことがなかったので これらが何をしているのかわかりません とりあえず保留して次をみます

  どうせPLLユニットも0(ゼロ)からつくりますので分周比がたくさんとれるようにシリアルPLLを使いたいところですが

できることならばオリジナルに近い状態での再構築のためにPLLユニットのアタリをつけておかなくてはなりません

   

分周比は7ビット(127ch)としてSAと合わせてチャンネル構成を考えることにすることにしましょう また 特殊な機能を実現するために操作性も考えねばなりません

 

不要な部品

コントロールユニットにある74c92は 5MHzを分周してクロックをつくるICです。 当時はたへんなおもいをしてクロックをつくっていたものですね。 たとえば5MHZをそのまま使うことなどが考えられなかったのでしょうか?_

 


IC801まわり

IC801はパワーONリセット信号を作ります。これもPICの場合は不要なのですが、もう1本不思議な信号が通ってます。MM5799の11 10ピンの信号で、NORされてSQ回路に向かいます。

残りの2ゲートはアキ処理で1ブロック目と3ブロック目が使われていません。

 

PICで再現する場合内蔵リセットでOKなので、4001もいらなくなっちゃいます。

 

 

 


 

チャンネル部分の修復  

コンソールはキーボードの16種類のキーが割り当てられており

4×4のマトリクスが組まれています  

チャンネル割り当て

  K1 K2 K3 K4
S1 7:NORM 8:MEMORY 9:EMR USEch
S2 4:PRI 5:SCAN 6:ALT CLRch
S3 1:FAST ↓ 2:SLOW↓ 3:SLOW↑ STOP
S4 0:FAST↑ CHANNEL   CONTNEW

 これを見るファンクションキーになっており(1キーの複数の機能が割り付けられている)そのままでは使いにくい部分がありますので、オリジナルのまま復元をしたいのですが、

残念ですがオリジナルのCONSOLEがありませんので、正確な動きがわかりません。

そこで、2008年の技術で作り直してみます。 

立ち上げ

まず電源ONの時は1chで立ち上げます。

1)チャンネル指定したいときはCAHNNELボタンをプッシュします。

2)ディスプレイを消します (再押しで元に)

3)数値を打ち込みます(十の桁から順番にインクリメント)

4)CHANNELボタンでチャンネル決定

チャンネルUP/DOWN

チャンネル表示中に EMRボタンで9chに強制移動

MEORYでそのチャンネルを記憶(初期設定は1ch)

PRIボタンでメモリーと現在CHを相互スキャン

 


PLLでつくる周波数  

コンソールのPLLユニットはNDC40013というきいたことのないICが使われています

このICはリファレンスに10Mhzを利用するPLLユニットのようです

 送受信で必要な周波数は必要な周波数から7.8MHzを引いた周波数です。

たとえば 26.965MHz(1ch)から27.405MHz(40ch)の場合は、そこから7.8MHzを引いた

19.165MHz−19.605MHzになります

さてこのとき

 

分周比nは 1から256まで変化するわけで

=1の時  1× 5k=5KHz   20.000MHz−5khZ= 19.995Mhz+7.8MHz =27.795

 n=167の時 167×5khz=835khz  20.000-835KHz =19.165+7.8MHz = 26.965

n=255の時  255×5=1275khz  20.000-18.725 =20.000-18.725+7.8MHz =26.525Mhz

 となり

=255 26.525MHz n=1 27.795MHzまで設定できることになります。

 

あれれ この構成だと75CH以上が出ないけど・・・・・


 

チャンネルを

+で加算した場合                 

1 2 3  4 5 6 7  8 9 10  11 11 ・・・のようにchステップさせる

これで1ch−80chまでは互換できる

表示は変化しない

 

81ch−99chは

周波数的に飛ぶと調整や確認が面倒になるので

27.865Mhzから連続で28.145Mhzまでを割り当てる

これで分周比n127を使い切る

 

さてプログラムを作らなくてはならない段階でしなくてはならないことが

山のように出てきました 

 

第5回へ続く

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