TS-5040 tokai  23ch      

 2008 9/5 up

TC−5040 すわんさんオークションに東海でていいるよ。

 あまいささやきがきこえました その機械はTC−5040です。型番を言ってもわからないかもしれません。 フィールドマスターの23ch もしくはユータック23といった方がわかりやすいかもしれません 通常の無線機の約半分の サイズ 筐体も小さいしSメーターもちっちゃくて すごいかわいい機械です オークションを見ると往年のCB無線機が何台もセットで出品されていましたその中に東海製品のTC−5040があったのです   オークションではNASAやオーフナは高額での落札が行われていますがそれ以外の無線機は買い手がつかない状況で、私にとってはお宝無線機が安く手に入るの非常に好ましい状況であるといえるでしょう なぜならSA−28の初期バージョン(マイクコンプレッサ付き)5000円 ゾンマカンプTS−646を4000円で落とせるのですからたまりません。  東海TCシリーズも 固定機を含めかなり落札しました。

 落札直後の様子

 そんなわけでオークションで入手することができたTC−5040ですが 超訳アリ物件だったのです到着直後の様子。なんか雰囲気が違います・・・・

なんかTC-5040部品と書かれた箱とかもあります。

 

  なんと!

純正基板が取り出されており、変わりにICB−650の基板が内蔵されていました 

 

 当時はFCCの無線機を使うとTVIが盛大に発生しました ところが国内合法無線機はパワーが0.5wしかなく外部アンテナを接続することが不可能であったためめ TVIの発生は少なかったものです  そのため内部の基板を交換して運用をしたのではないか?と推測できます しかしこの改造というのがものすごいのです 私は改造をされた無線機を何台もみてきていますが今回のこの改造は無線機を自作するに匹敵するほどのものです
 

 

  取り外すまえにまずこの職人的改造をお知らせしておきましょう  ICB−650は2ch無線機ですがそれが8ch無線機に改造されています 水晶の配線が延長されており 2回路8接点のスイッチで8ch分運用が可能になっています  その証拠にSONYのCBトランシーバに多く使われていたプラスチックモールドの水晶が使われています

 

 

  つぎにすごいのがなんとリレーで送受信を切り替えています。 ICB−650の送受信の切り替えはスライドスイッチで行われていますがそこをリレーで切り替えるようにしてあります

画面右上になんとMY4が・・・・

 

   さらには無線機の底面にはSメーターの装着 アンテナ端子の増設と 電池の内蔵など  もはや無線機をつくってしまっています これを見たときまではTS−5040を純正の戻すのはやめてこのまま残したい衝動にかられました、 

今回はこの作品を写真に収めさせていただき とりはずさせていただきました 
私のところに所蔵されている 本物のICB-650と比べてみました。

この基板が入っているんですね。

 

取り外したICB−650の部品は必要最小限の部分を残してカットしましたのでこれはこれで動く状態で保存することにします 

 

 

     


        修復開始

筐体 まず分解されたTC−5040の筐体をみるといくつか修復を必要とする場所がありますので とりあえず全部バラしてから超音波洗浄器で洗います  これだけでかなり綺麗になりますが 往年の傷やこすれなどもこの段階でレタッチします 筐体の改造の痕跡をみると これまたいくつもの大改修が行われています  いくつかのM3タップ穴を加工してICBのメイン基板を装着できるように加工されており  その基板に保持されるようICb−650のSメーターが底面に装着されています ICBのアナログメーターは大きな丸穴なので 底面にが大きな穴があいてあいています これらの修復は別回にまわして できる場所から修復しましょう
さてこれがはずされていたTC5040の部品です。
基板の裏面
フレーム
ツマミ
チャンネルツマミ

 

 基板清掃

さてここで本体基板をチェックします ICB−650の基板に換装されていたためか物理的の押されてしまっている場所があったり ソリッド抵抗のコンタクトが取れそうなものものもありますのでピンセットで1つづつ正しい位置へ直しておきます 

この時代の基板はシルク印刷がありません。さらにあちこち部品が取り外されており、部品を確認しないと先にすすめません  とりあえず無水アルコールによる基板洗浄を行ってみました 

バットのなかに基板を用意そこに無水アルコールを大量に投じて柔らかいブラシでこすります。 どのくらい剥離したのかを見るためにキッチンペーパーにフラックスを吸わせてみました
すると半田フラックスやホコリなどが一緒になって流れてくるのがわかるとおもいます。
とりあえず掃除のあとのイメージです。かなりきれいになったものかと思います

基板は乗せてみました

 

洗浄前の基板
洗浄後の基板

 

             

 じつはこの段階まではかなり安直に考えていました それもそのはず。我が秘アジトにはトーカイの部品や図面が一式保存されているのです  図面があればCB無線機など楽勝 そう思っていました ところが 資料を探すと あるにはあったのですが その機械はなんとTC−5041なのです TC−5040と5041は筐体はまったく同じですが TC−5040は23ch 5041は6ch無線機なのです なぜ型番が若いのが6ch無線機? 当然ミキサー部分が異なります ありゃ こりゃ手作業で回路追わないとならんよう です
第2の誤算 まあ23chのCB無線機くらい自力でなんとかなるわいと思って再開したのですがこれがまた手ごわい 部品の一部欠品などがあるうえ パターンの欠損などもあり どこに配線をしたらいいものかわからないです 幸いボリュームとスケルチは配線があるのでわかる場所をメモしてから取り外します
第2の誤算 まあ23chのCB無線機くらい自力でなんとかなるわいと思って再開したのですがこれがまた手ごわい 部品の一部欠品などがあるうえ パターンの欠損などもあり どこに配線をしたらいいものかわからないです 幸いボリュームとスケルチは配線があるのでわかる場所をメモしてから取り外します
    さて部品を1つ1つみていると なにかたりません そうです 変調トランスがないのです さらにみれば入力のディバイドトランスもありません ??トランジスタもありません !ありゃーん プッシュプル回路のすべての部品がないのです 無線機が普通の弁当箱サイズであれば流用もできますが この半分サイズにぴったり合うトランスなど流用できるわけもありません  トランスを特注するのもテとして残っているのですが コアの大きさが限られてしまいまますので 特性を指定してつくると大きさが大きくなってしまいます 逆にコアサイズを指定すると特性が犠牲になってしまいます よい方法がないかなあと思っていろいろみてみると入力のディバイドは山水のトランスで 大丈夫そうです

 

 

 

問題は合成トランスのほうで 受信時に使う8オーム巻き線のほかにファイナルの電流を供給する(太巻線)が必要になります。 これは通常のオーディオトランスにはありません 

 チャンネル修復

次の問題は 周波数合成の問題です 23ch無線機のチャンネルセレクタはばっさり切り落とされていて配線から追わなくてはなりません 当然水晶もありません 当時のチャネルは24接点で親石6個と子石4個を切り替えるものです 発振回路により接点構成がことなります またEchのときに水晶端子をGNDするような配線も必要になります

スイッチをよくみるとなにやら1から6までの数字があることから37.600が1 37.650が2に対応しているようです 水晶の差し込みポジションは筐体裏に印刷があるのでこの通りに配線を行うことにしました CBの親石と子石はわがアジトに多分20組以上はあるのですがたくさんあるのですが余分はありません 何個かは部品取したものがありましたので それを利用してとりあえず仮復旧します せっかくのチャンスですから分解清掃をしておきましょう

この時代のロータリースイッチはベークの板に接点をくっつけるという構造なのですがこのTC−5040に使われているロータリースイッチは ベーク基板にロータリースイッチのパターンが印刷されておりそこを ロータリースイッチのアーマチュアがショートしていくという構造をしています  これは2008年現在のロータリースイッチにも採用されている方式で機械的に丈夫にできています スイッチの分解は簡単で基板を固定しているねじを外せば基板が外れます 

重要  分解する前に軸と基板に に合わせマークをつけておくことをお忘れなく。 これを忘れると大変ですよ ちなみにバラしてしまった場合スイッチにはH G Iという刻印がありますのでその刻印を合わせるということ 端子には合わせマークがありますので刻印合わせすれば元に戻ります 分解した接点はかなり削りカスがたまっていました

同じく無水アルコールで洗浄。

その後にシリコンオイルでオイルアップしてみました。

 基板や水晶の位置を確認したら基板を固定します

             メイン基板の装着

 

当時はプラスアースの車にも装着できるように筐体がGNDから浮いており 0.1μF程度のコンデンさでシャーシーGNDされています。 シャーシーGNDはマイナスアースで使う分では必要のないものですのでショートしてしまってもよいのですが オリジナル重視のためにちゃんと絶縁しました

 

作業 悩んでいても先には進みません とりあえず 基板を装着し できる配線から進めていきましょう  スイッチの配線やスケルチの配線を元に戻してから 次はファイナル系を筐体につける作業を行います 手元にあるTC−5040の資料によれば ファイナルは2SC1306 音声のプッシュプルアンプは2SC1096となっています これらをストックパーツのなかから取り出して装着しました  細かいことをいうと放熱用アルミがなかったりしまし たので加工して取り付けました

作業 悩んでいても先には進みません とりあえず 基板を装着し できる配線から進めていきましょう  スイッチの配線やスケルチの配線を元に戻してから 次はファイナル系を筐体につける作業を行います 手元にあるTC−5040の資料によれば ファイナルは2SC1306 音声のプッシュプルアンプは2SC1096となっています これらをストックパーツのなかから取り出して装着しました  細かいことをいうと放熱用アルミがなかったりしまし たので加工して取り付けました
Sメーターが機械的に壊れてしまうと修復不能になるのですが今回純正メーターは正常作動をしていますので一安心です さてつぎは外部スピーカージャックの配線です PAジャックの配線ですがいくら探してもありません そりゃそーです この機械はPA非装着でした。 外部SPは9cmの薄型のものを用意しましたが若干大きく中心がすこしずれます8.5cmくらいなものが適当なのかもしれません 変調トランスの調達 この機械のプッシュプルアンプはトランジスタで行っています もしIC化すれば変調トランスではなく変調トランジスタで変調を加えることが可能なのですが どうしてもオリジナルに戻したいという気持ちはかわりません 
まず出力ですが通常高周波出力が4wならば4w以上の出力をもつトランスが必要です ところが4w出力をまともに出そうとすれば今回の利用するスペースの4倍は必要になり、装着することができません これではまずいので逆に計算を行います コアサイズを35mm×25mmで入力インピーダンス約30Ω 出力が8Ωと2Ω複巻き のくらいの大きさで特注してみることにしました まずなじみのトランス屋さんに電話しました 「なにこの仕様?トランシーバー?」 一発でバレました そこでトランス屋さんに相談を持ちかけると 通常のコアよりたくさんにまけるコアがあそれしてもこの大きさで出力4wは物理的にはつくることが不可能であるという答えがでました ではこの大きさでトランスをつくるとするどのくらい?という質問にはと 精いっぱいで2w ひずみを考えればその半分がいいとこだというつれない返事です ああその程度ですか。。。 特注でもいいのですが なんかないかなあと サンスイのトランスカタログをみていると St−48Pというものを見つけました おおきさは純正の変調トランスとほぼ同じで 入力インピーダンスは600Ω 出力は4Ωと8Ωです 8Ω側がスピーカー 4Ω側をファイナルとドライバに同時に変調をかければなんとなりそうです
入力のドライバトランスはST−27を利用しています 修復 これらを組み込み電源を入れながらチェックをする時がきました なかば分解されていた 機械の修復ですのでプッシュプルアンプにのみ電源を加えて作動させてみることにしましょう コレクタに電圧を加えながら 熱を持たないか?などを確認して入力を触ってみると ブーンという誘導を増幅しています なんとかプッシュプルアンプは生き返りました

    送受信回路などの修復

ファイナルへの出力の8Ωの片側がVCcにつながりますので直流カットオフのコンデンさが必要なのと 送信時自分の音声がスピーカーから出てしまいます のちほどリレーを入れて対処します 受信回路の修復 電源を入れてみるとまずスイッチONのポップノイズを確認AFアンプまではokのようです ボリュームを上げるげるとわずかですか ノイズも聞こえます 電源のスイッチングも正常なようです 
ただし27MHZの信号はきこえません 水晶が発振してないかミキサーが具合わるいか どちらかですね  表面をみると  みると27MHzの同調コアが入っていないではないですか?な  これでは聞こえなくて当たり前なのでコアを投入際調整をします  プチプチというノイズが聞こえてきて 27MHz独特の音です トラブル発生 では送信はどうあとおもいPTT回路をGNDしたのですが受信音が途切れ送信モードに入るのですが TX−Bが出ません 回路えおみるとTX−Bをつくる回路のパターンと部品がありません 切り替えのためのトランジスタを装着 Tx=Bを確保しました
PTTをドライブするときれいにに切り替わることが確認できまし た さらにドライブの部分のパターンなどの修復をしてなんとかパワーが1w程度まで出ることを確認しました さて変調を乗せながらチャネルをみると なにか不安定です スペアナでみると見事な寄生振動です 基本波のまわりに細かい波形がたくさんでます なんでかなあと 子石の水晶発振回路がなんかおかしいです トランジスタで発振させているのですがこの段階周波数までフラついています  おりゃなんでかなあと思うとエミッタの帰還コンデンさがありません どうも押し付けられてとれちゃったかみたいですね  容量は200pくらいでしょうから手元にあった200pを装着しました
音声が歪む 受信のときはそれほどきがつかなったのですが 送信音声が歪みます ちょうどバイアスが不適当のような感じです 回路にオシロを充てながらみると音声増幅の1つ前のとランジす他のカップリングコンデンさにいきつきました やけにバイアスが高いのです 取り外して測定してみると直流も通るコンデンサになっていました 考えれば製造から30年が経過するわけですからケミコンが全部不良でもおかしくありません とりあえずこのコンデンサを交換したところすっきりとしました
sめーた  東海通信機はSメーターが小型なのが特徴なのですが このシリーズはさらに超小型です たしかにTC−1004やTC−5008は小型ですがここまで小さくはありません 筐体の大きさが半分でもここまで小型にしなくてもいいじゃないですか と つっこみをいれておき メーターを調整しますが 目盛りも小型なので正しくあわセルのは難しいです 送信時8割受信のときは50dbμvで8割をフルようにしておきました
 さてこのTC−5040ですが 同一筐体でフィールドマスタブランドと utac(ユータック)ブランドがあります フィールドマスタは23chですがutacは6chですから本来TC−5041がutacなのかもしれません しかしいかにOEMとはいえUTACもフィールドマスタも東海がつくっていたとすると往年のCB無線機はすべて東海製かもしれません

 

 

    送信調整 TC−5040の出力はスペック上は4wなのですが実際に作動させると約3w です 変調トランスの都合もあるのかなあとおもって測定したのですがパワー配分は 水晶発振から5mW→ドライバ0.2w→3wと まあ標準的なものです そのほか細かい調整などをおこない 本日TC−5040は生き返りました!!!!!!!!!!!!!

 

                              

 

 

 

 

 

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