←私の固定です。ここで作業中

XCB-7を直そう

なつかしい無線機が修理にきました。その名もリッスルブランドのXCB−7です。

この無線機は、Xtalというブランドがオリジナルですが、筐体だけ替えたもので、でスパコムやシルバーフォックス、スパコマ などという名前で売られていました。

内部の基板はすべて同一で23chバージョンのほかPA/CBスイッチを交換した46chタイプものもの混在しています。

今回持ち込まれたxcb-7は、電源がまったく入らず、送信も受信もしないという状態でした。ユーザー様は復旧をあきらめていたようです。

基本作業

まず最初の作業はスピーカーをはずすことです。この当時の無線機はスピーカーが筐体にくっついていたりホルダで固定されていたりします。スピーカーをはずさないで作業をするとスピーカーの端子に無理な力がくわわり切れてしまうと、スピーカーを壊してしまいます。

 

到着直後のXCB-7 電源を入れる前に、死相がただよう本体。意識レベル300です。

 

フタをあけて内部も目視すると、内部は結束バンドがなく、相当開腹されたようでメチャクチャになっている。そして非純正のトランジスタなどが、ついたあとがあった。パターンを見るとどうもスケルチを解放にしてかわりにパワーコントローラをつけたような痕跡もあり典型的なCB無線機の末期でもあります。

「がんばれXCB-7 俺がついてる」←心の声

 

まず電源をonすると、電源が1A以上流れてfuseがとんでしまいます。fuseをとばしてしまうくらい大電流が加わる回路が壊れていますね。

こんな電流が必要な回路はファイナル関連ですわ

 

 AFのプッシュプルアンプの部分、

ファイナルの部分ではなく、AF部分を見ると、プラスチックブッシュが熱で溶けている。この光景は決して珍しくないのだが、たいがいはトランジスタも壊れているので、交換の必要がある。

ファイナルコレクタ変調であるCB無線機の場合、このプッシュプル回路が壊れるとトランスが燃えるという最大の悲劇が訪れるものです。幸いこの機会は、トランスは壊れてなかったので、トランジスタの交換でOKのようです。

交換したところfuseは飛ばないようになりました。

 

無線機を裏返してパターンをよく見ると前人が修理をした痕跡も発見。電界コンデンサが破損しているどうかチェックしたようで、コンデンサが片側浮いています。これはまずいので、ハンダしようと思ったら。

ありゃー。コンデンサーパンクしているんじゃん。電源のバイパスコンデンサがパンクしていますし、トランジスタも壊れている、これは、逆接続か、もしくはDC24vに接続たかどちらかでしょう。死亡原因特定です。

上が死亡のコンデンサ、下側が交換のための同容量、同耐圧コンデンサ。大きさがこんなに違います。やはり20年の間に技術はシンポしています。

 

 

中の掃除をかねて、みました。死亡原因がわかれば壊れているのはもはや電源ラインでしょう。ここを重点に見ていきましょう。

 

ここまでで直ったかとおもいアンテナを接続してみましたが、うんともすんと言わないでっす。

送信もしなければ受信もしません。そこで、送受信の電圧を見てみると、送信時+も受信時+も電圧がでていません。

つまり送信受信の電源切り替え回路が動いてないということです。

回路を追い送信+を作るトランジスタが半分に割れているのが確認できました。

交換対照は2SC711です。このトランジスタの足は銀メッキされているので、時間が経過すると真っ黒に酸化してしまいます。あーあーかわいそうに。

さっそく交換交換交換

これで電源okです、アンテナをつなぐと暖かいAMの音が出てきます。チャンネルをカチカチとまわすと

とりあえずチャンネルすべて受信できます。 よーし、死亡状態から脱却だ。

 

次に送信電力を測定です。「あーあー」 あれっつ変調は乗るが、無変調時3wしかでません、ファイナルを見ると同調コイルが割れ、パラフィンも溶かされた後があります。金属のドライバーなどでまわすとこういうような割れたコアになっちゃうんですよねー

これじゃまずいので、再調整して無変調4wに固定しました。

 

そのほか特性をみたのですが、受信の中心がちょっと下にずれていましたので、

IFのトラッキングを調整してOKにしました。

 

 

今回交換した部品

AFトランジスタ 2SC1096 2個

スケルチ回路手直し

ファイナル回路手直し

破裂コンデンサ交換。

電球(ムギ球)交換

 

 

おめでとうございます。退院ですよ。いつまでも元気で。XCB-7様

 

 

 

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