TOKAI M-5008 |
ヤフオクをみていたら なんとTC-5008がでていました。これは、東海技研のシリーズもので、私が無線のハマった原因を作った無線機です。前にも何台か所有していたのですが、なにやら引かれるものがあり、どうしても入手したいという衝動が・・・ えーいいれちゃ10万円 10万円 10万円なんとしても落としたい・結果17000円で落札、めでたく私の手許にきました。いやーあるもんですわね。
パネルはSCOOPERになっているので 後期の製品ですね。
ちなみにパネルがTOKAI (TC5008)が前期 SCOOPER (M5008)が後期です。
もう落札確認後即日入金。ジャーン 送られてきましたー。
さっそくチェックです。私のとこにきた機会はさすが30年は経過している様子で、メッキにはサビが目立ちますし、それなりの外観です。送られてきた機械をみてまずびっくり機械の送信ランプの部分にロータリースイッチがついていてこれが3回路に切り替わるようになっています。たしかにオークションの写真でもついていいるのは確認ができるのですが、見てびっくり。これって当時75000円で売られたいた矢島電気バージョンの72CHモデルではないですか。もう激レアですよ。
このスクーパーのノーマルは23ch(実際はEchが最初から出られるので24ch無線機がもともと)です。これにCB/PAのスイッチをつぶした48chバージョン。そして、今回手許にきた3階バージョンの3パターン確認しています。矢島バージョンは当然タマ数も少ない激レアでしょう。前前から憧れのものです。
実はあとからもう1つ重要なことがわかるのですが、ここではここまでで次に進みましょう。
チェックを勧めるとするとなんとPA/CBの切り替えスイッチが壊れたために、
ハンダで固定されています。アリャー。
あとリレーが接触不良。ボリュームもガリがあります。こんなの楽勝 楽勝全部直してあげますからね。ちょっとまってててね。
まず
機械的な修復をしましょう。PA/CBのスイッチを見ると、スライドスイッチ部分が壊れています。
前ユーザーはスイッチの部分を取り外し、ハンダで端子をショートしてあります。これでは修復はむずかしいので、スイッチを交換します。 CB-PAの切り替えスイッチは4回路のもので、ちょっと特殊、秋葉原に行って似たようなスイッチを購入しててきました。
意地で同じスイッチを入手してきました!!交換交換。
その他マイク端子とかソケットとか機構部品でガリがあるようなものはすべて交換です。
清掃
では交換したのはいいのですが、表面パネルは汚れがありますので、一度バラして超音波洗浄装置でぶくぶくと洗います。
これが洗った後です、どうです?
キレイになっているでしょ。
オーナーメント
オーナーメントは筐体に貼ってある注意シールです。東海の場合FAINALTEST KO というシールなのですが、再剥離できない接着剤でくっついていたので、とりあえず丸洗いしよう、
マイク
マイクはなんと、scooperのオーナメントがついています。あーこれも純正なんですね、
これまたばっちいので、超音波であらってみました。これは純正といってももとは、プリモのマイクでFT-101などにも散々使われていたものです。ともかく分解してお掃除です。
ロータリースイッチの掃除
CB無線機に使われる当時のローターリースイッチは24接点の開放型が多いとおもいます。
これは、24クリックをもつロータと、それを受けるステーターからできているもので、実際の接点である円盤部分と接点から構成されます。開放型ゆえ、グリスが飛び散ってホコリなどを吸い込み、また何万もチャンネルをまわされて擦れた金属片が円盤をキズつけてしまうことがあります。従来このような接点に接点復活罪をプシューっとかけてしまう人がいますが、それはよくないです。
ロータリースイッチを洗浄するには、段階があります。
第1段階 分解
配線は親石に6本 小石8本です、当然色分けして配線されていますので、スイッチの図と配線色を書いてバラします。 軸はEワッシャなどで固定されていますので、Eワッチャはずしで外します。配線の端子の部分は壊れやすいので細心の注意をして外してください。
第2段階、 古いグリスやホコリをいったん洗い流してください。なにをするにも不純なものがあるのがいけませんので、ともかく付着した物体をすべて清掃します、石油などの溶剤で洗うのも手ですがCRC556のようなサラサラした油を大量にかけて洗い流すのもの手です、吹きかけるだけではダメです、洗い流すという作業が必要です。
第3段階
吹きかけたCRCを完全にふき取ってください。重要CRCも油なので、余分にくっついていると空気中のホコリをすいとって真っ黒になります。
第4段階
回転軸にオイルを塗ります。お勧めはモリグリスです。黒色のオイルでホームセンターなどで入手可能です。(1本300円くらい)
オイルはベトベトに塗る必要はありません。軸の部分にほんのちょっと塗っててで伸ばしたくらいで十分です、水滴に例えると0.2滴分くらいです
元通りにくみたてて配線します。。
ここまででとりあえず長年の垢を落としましたので、火入れを行います。
アンテナを接続しスイッチを入れてみます。チャンネルのランプが暖かく光、なつかしいAMのノイズが聞こえてきます。ためしにマイクを握ってみると、3w程度の電力が出ているのですが、あれ、周波数がめちゃめちゃです。水晶の不良か?ミキサーが壊れているか? そのあたりかなあ?と思っていたのですが周波数が安定しています。あれーとおもうと、なんとこの機械
地下2階 地下1階 地上1階
と72ch仕様です。水晶を確認してもやはり地下chです。へえーこんなバージョンあったんですね。新発見です。
水晶は純正の紙テープで固定されているので見えにくいのですが、36MHZの水晶が2階分実装されています。
B474プッシュプルアンプ
C799 ファイナル。
不具合を探したのですが、その他は問題なし、掃除をして終了です。
地下chへの切り替えスイッチフジソクのスイッチを利用していましたが、このスイッチのツマミのネジが不良になっており、残念ながら交換です。以上これでキレイにななったスクーパーはこちら。現在アンテナを接続しモニターをしています。
ワッチ
さて、スイッチを入れてワッチを開始してみました、すると、最初はきがつかなかったのですが、受信音にガサガサという音が混じっているのに気がつきました。ボリュームを0(ゼロ)にしていてもガサガサしているので、
こりゃーAFアンプなのかなあ?とおもってAFアンプの部分からチャックをしてしていきました。
その結果プッシュプルアンプは問題なしで、その手前にMK-10というFETがあり、ここのFETに刺激を与えるとプチプチというノイズになることが確認できました。MK10はまだ2SKのトランジスタが規格になる前の電界効果トランジスタで後の時代の2SK19です。当然こんなトランジスタは入手できないので、手持ちにある2SK241に交換しました。
さて、これでいいのかな?とさらに思っていると、AMのノイズがなんかこもっているような感じがします
まず最初に気がつたのが半固定抵抗の破損です。交換交換。
うーりゃ?これはなんだとおもうと、電源ラインが音量によって振られているのが確認できません。 これはもう電源ラインの電解コンデンサの不良ではないかと思い。、取り外して交換して症状は収まりバッチリなのですが、気になって容量を測定してみる1μF以下になっているうえ、なんか直流もちょっと流れています。
やはりコンデンサは消耗品なんですね。さらに気になり電源のデカップリング用のコンデンサを16V220μを見てみるとこれまた100μ以下でフラフラしています。うおー気持ちわりー。でついでに交換してみました。こうなるとケミコン総取替えのほうははやいかもです。
そのほか送信受信関連のバイパスやカップリングコンデンサ(ケミコン)などを見るとのきなみ不良です。とりあえず作動に問題にならない部分を交換しました。
スタンバイピー
この無線機との出会いは今から25年も前になります。当時のローカル局。AMクラブの会長さんが使っていたのがこのスクーパーだったのです。その会長さんが改造好きで、間チャンネルの改造や、ハイパワー改造、パワーコン改造、スタンバイピー改造など、いろいろな改造を施されていました。また当時珍しかったマイクアンプなどを工夫されており、幼少の私は、その改造のすばらしさにあこがれていました。しかし、幼少のわたしに高価なスクーパーは買えず、指をくわえてみていたものです。
その中でももっとも印象に残っているのがスタンバイピー発信機です。
エリート無線が作っていたものでEPO−2000というものです。スタンバイピーそのものは珍しいものではないかもしれませんでしたが、20数年前は市販品は1つしかなく、無線上でスタンバイピーをつけている局は都内でも3局しかいなかったのです。そんなわけで、我がシャックで長い間ねていたスタンバイピーを掘り出してそうちゃくしてみました。つけてびっくり、なんとスタンバイピーのケミコンもやられていました。ハハ
20年の時間は長いですわ・。・
私が無線というものに出会い、そして、その後業界に進むきっかけを作ってくれたのが、その会長であり、そして、このスクーパーであると言っても過言ではありません。その会長さんに感謝!
東京すわん 2004/12/24