The11m

 

いまからざっと30年ほど前、日本では不法CB 昔風のいい方をすれば 違法CB無線が流行していました。

秋葉原などの電気街はもちろん
場末のカーショップやガソリンスタンドでさえ、売られていた不法CB無線装置
まさにやりたい放題。自分が好き放題使うことができるものでした。

しかし、それは不法無線という決してオモテに出てはいけないもの。
2008年の現在では、東京でさえ、4ch以外の局はほぼ壊滅しているという状況になっています。
11mがなぜこんなにも流行したのか? そして、11mおける幻想を1つ1つゆっくりと考えていきたいと思います

CB無線にオンエアするにはそれほどお金はかかりませんでした。
2万円も出せば無線機は購入することが可能であり
それに出来上がった同軸ケーブルとアンテナを購入すればすぐにオンエア可能だったものです

無線機は安く購入することのできたXCBかタイコン系 同軸は3D-2V  電源はステレオマスター アンテナが1/4λGPと相場は決まってました。
全部で2万円程度で一式そろってしまったのです

ところがそんな安っちい設備でも27Mhzという周波数はHFでもないVHFでもない周波数であり ちゃんとアンテナをつけることにより 10km−20kmは軽くサービスエリアとなってしまうのです
 相手のロケーションとあえば100km程度離れていてもQSOが可能になります
 また同時期に開局する局も多くおり、チャンネルを回すと同好者がたくさんみつかりました
なぜアンテナから飛び出した電波が何kmも先まで飛ぶのか? 相手の電波がキャッチできるのか? わからなくても電波を出すことは可能だったのです
                
ローカル局が固定局を上げるということで手伝いにいきました
さっき届いたばかりのあんてなはテラスへ。無線機類はすでに開梱されて部屋の中に据えつけられています。

アンテナの段ボールをあけると分解されたグランドプレーンアンテナが出てきます
金属独特に冷たさが伝わり。
4本のラジアル とエレメントを組み立て終わるころには手はアルミ粉で真っ白になります
 3D-2Vを用意してアンテナに装着。
室内では購入してきたばかりのSkytoneが アンテナの接続を待っています。
大空に1−4のグランドプレーンアンテナがそびえたち同軸が室内に引き込まれます
 とりあえずまどのわきから室内へ投げ入れて 借り物のSWRメーターで測定します
M型コネクタが接続されるやいなや ローカル局が聞こえてきます。SWRは全チャンネルで1.2程度 すごい優秀なアンテナです

記念の第1声をその固定局の主にお願いすることになります。
 若干の緊張気味な声で第1声をだします
「CQ11m」
だれも聞いてはいないかもしれませんがその声も大空へと吸い込まれていきます

冬の澄み切った青空でものすごく寒い日の出来事です。


23chの無線機の向う


CB無線にはクラブ化という大きな問題がありました。
つまりチャンネルは特定のクラブのもので、そのクラブに入らないと、出ることが許されないというものです。この考えはクラブ化が進んだ1980年以降に顕著に表れます。

1978年前後になると、全国○×連合という言い方が流行します。

コールサインに全国という文字を入れると、全国組織であるということを言いたいのかもしれませんが、27MHzの電波は全国には飛びません。せめて数十km程度なものです。
なので、あえて 全国肩書きをつけて大きく見せているものです。

ウチのクラブの本部は○×にあり、支部は▼と■にある。
こんな話しもよくありますが、本部ではいったいなにをしているのか?
支部では何人いて何人が出て来るのか? それすらも知らずにクラブの名前を連呼する人も多くいます。

そもそも11mは不法行為であるのはみんな知っているのかと思います。そんなところに一人で出て行くのはリスクが高いということを考えているのかもしれません。そんなのをなんとなく緩和したいというということから、クラブ化が進んでいるものだと思います。

今から20年ほどまえ、そのような話しが多くあり、クラブ間の抗争やクラブ同士の問題解決に
組織の人が出てきたという話が多くありましたが、今、無線の業界でそのようなことをしたら何が起こるでしょうか? 高々不法無線の仲介程度のことで暴力事件を起こしたら
警察の格好のガサ入れの口実です。あげくに、不法無線開設で間違いなく検挙されます。そんなところに顔を出すと思いますか?

では、あなたが 不法無線で検挙されたとしてもクラブが何とかしてくれるものでしょうか?こちらも期待することができません。万一貴方が電波法で検挙され その段階で「自分は○×」に所属している などと話そうものなら、全員の住所を教えるまでにはおうちには帰れませんよ。


JCF    

東京ではJCFというクラブがありました
今のクラブはチャンネルを独占して利用することがほとんどですがJCFはCBバンドすべてを管理してくれていました
CB無線のクラブであるととも 日本の合法CBをFCCと同じルールにするべく活動をしていました。
会員数は1000人を超え、会員禄などが発行されるほど大きなクラブだったのです
 当時はチャンネルを固定するという概念はなく
1chで呼び出しが行われ あいているチャンネルへ誘導するという使い方が行われていました
 チャンネルを固定してしまうとどうしてもおれたちのチャンネルだ というようなイメージがついてしまいがちです。ところが
呼び出しチャンネルし以外はすべてサブチャンネルなため自分のチャンネルというのが存在しないのです
全員が同じ周波数を共有していることになります
 全国何とか会というような恐ろしげな名前をつけるひともおらず非常に和気あいあいとした雰囲気であった
のはいうまでもありません
わたしもそのクラブに所属することができてJCFコールをもらいました

名物オペレーター

アマチュア無線でもそうですがCB無線にはたくさんの付加装置が利用されていました。もっとも印象的なのは、エコー装置ではないでしょうか?

当時8トラテープを使ったエコーチェンバー が流行しました 最初は楽器用のものを改造したもので俗に山びこエコーと呼ばれていました
 またこのチェンバーとは別にスプリングエコーという機械がありました文字通りなかにスプリングを利用したエコー装置がはいっておりこちらは風呂エコーと呼ばれていました

いまでこそ、固定局でオンエアしてくる人など皆無なのですが、当時は20時台から局数が増え、自宅でゆっくりと無線を楽しむ人がたくさんいたのです。


漁業無線とCB無線

当時27Mhzは漁業無線がたくさん割り当てられていました 
千葉県のある漁港に行くと
みたことのある無線機がおかれていました
それは紛れもないCB無線機で電源とセットになった FZ−1000というものです 
木目パネルの渋めの無線機がなんと漁業無線バージョンが存在したのです
周波数こそわからなかったのですが CB無線機であることはまちがありません
外をみると白っぽいアンテナが建っていました
 そこでいろいろな文献をさぐっていくと
周波数が27Mhzの上のほうであることが分かったのです
どうしてもその周波数に合わせてみたいと思っていたのですが当時のCB無線機は水晶シンセサイザー方式ある上にアキチャンネルポジションもありません
水晶をどこか差し替えるしかないわけです
そこで21ch22ch23chの部分を漁業無線ように利用することにして
水晶を特注して作ってもらいました

そこには、CB無線機とはまったく違う人達がたくさんオンエアしていました。27MHzで1Wの電力で海上伝播するので何十kmもQSOが可能でした。


抗争事件



























私は昔 AMの平chに出ていました
15chです

15chといえば 拳闘倶楽部と連想する人が多いかもしれません
拳闘倶楽部はその昔は拳闘ではなくケントクラブと称しており、でさらにその昔は神奈川ローカルクラブと言っていました
 また15chをワッチチャンネル(当時はマッチチャンネルと言っていた)
にしたのはそれほど古くはありません



、当時はまだ 1−2chで呼び出しをしてからサブchに移るという運用方法が残っていた時期で、

私たちは1chで呼び出してから サブチャンネルに移動をするという運用をしていました
チャンネルが23chしかない無線機だったので非常に効率的に使い方といえるでしょう

あるひ私たちが15CHに出ていると、

全国ケントクラブという人がオンエアを始めるようになりました すでに私たちのまわりではほとんどの局がFT-101系を利用していたために あえてAMに出る必要はなかっ
たのですが。AM無線機しかもたない人は多く 見知らぬ人と交信するにはAMが不可欠だったのです

 「おたくさんどちら」 のような口ぶりの局が出てくるようになりました

 もちろん私たちは前からオンエアしていますし なにより15chは特定の団体が占有すべきものではないと説明をしました
 しかし、そんな忠告は聞くわけもなく、
逆におれたちが使うからおまえらでるなよ  もし15chを使うのならケントクラブにはいれ さもないと使わせないよ
のような発言をするようになってきました。

我々は特に15chに固執しているわけではなかったのですが、
そのうち15chでQSOをしていると 「家行くぞ・・・」的な押し付けが始まってきました 

オールジャパンで使っているのでRCは出るな?
オールジャパンというのはどうも全国組織であるということを暗に明示しているようです  RCはローカル局 つまりクラブに属さない局のことのようです LOCALな
らLC なんですけね。
クラブのローカルルールを持ち出してきては
 チャンネル独占を続けるようになってきたので。す
そしてお決まりは「 おれはケントがついている 」 おまえらぶっつぶすぞ みたいなことを言い出す始末です

 波のうえで「このやろう・・」と言い合をするのは簡単ですが それでは平和的解決にはなりません 

当時 27MHzをFCC準拠の23chとして許可してほしいと
請願を行う団体がありました、それがJCFという大きな組織です
大手クラブの会長さんたちはほぼすべてJCFに関連した局と
言ってもいいでしょう

私たちはこの手合いの脅しをするのは必ず初心者であることや 無線のことが分かってない素人であると分かっています。
しかしながら無礼なその態度は放置することができないと感じたのです
なぜならこのような初心者を放置しておくと私たち以外の局にも同様に
愚かな占有行為をするに決まっています。 変な正義感かもしれません
そこで私と私のローカル3人でその局と合うことにしました
 今からかんがえれば若い行為だったのかもしれません。
 そこで友人の局にこの件を相談すると

無線の上で喧嘩などをしても何ら解決にならないので
まずはその会長に連絡したら と忠告を受けました
当時のクラブは横のつながりが多くありましたのですぎに連絡先はわかりました。


さっそく会長宅にすぐにゼロチャン(←電話ね600オームとも言う)して、
今までの経緯を話すことにしました なぜこのようなことを放置するのか?
と相談したところ

「うちのクラブではそんなことはさせていない」
また

「現場に私も同席する」

と当日現場に来ることになったのです


 

会長さんは東京から離れた場所にお住まいだったのですが
経緯を話すと会長さんが東京に来ていただけることになりました
会長は 詳細を聞き うちのクラブ員がそんなことをするわけがないといった印象を持ったようです、

そして後日そのチャンネル独占を始めた局とダイレクトする話をつけ、直接話をつけることになりました
場所は東名高速のパーキングエリアです
会長の車は 高級外車で私はその時はじめて外車に乗りました
 私と私のローカル3人 そしてその対象となるクラブの会長を従えて 指定の場所で待っていると ”いかにもの”人があらわれました
そしていきなり
 そこで対象局との話し合いです
「スワンってのはどいつだ?」
「散々おれたちのチャンネル使いやがって」
「ケントクラブをなめるんじゃねえ」

CB無線のクラブどうしの構想にはよくありそうです
わたしの襟首をつかみ まさに暴力で解決させようとしていました
「15chはケントのものだから おまえはローカルだろ」というような
主張をしてきます

すぐに会長さんが制止に入ります
その局はケントを名乗るわりには自分の会長の顔を知らず、
また、なぜここの会長がいるのかわからなかったようです
私は 「あまりにも無礼な態度なので会長に来てもらった」
 「無線ではだれが聞いているか分からない」
と伝えて後は会長に任せることにしました


その局と会長さんのみで話は進みました
 しばらくすると
会長さんのみが戻ってきて

「もう大丈夫だから 安心してほしい」
といいました

後日会長さん直筆で東京のローカル全員あてに
詫び状が届き、私たちローカルはクラブに強制されることもなく
自由に15chが使えるようになったのです




27MHzにオンエアされる各クラブの人たちはなぜか排他運用をします
知らない局やほかのクラブの局に対し 威嚇行為を行うのです
「おれはこんなに凄いんだぞ」と思われたい表れだと思います
 
しかし 実際は27MHzという周波数の中の
AMという電波形式を使う仲間のはずです
そんな中で虚勢を張り、他人を寄せ付けないような運用をし続ければ
新しい局が定着せず 消えゆくのみです
みんな仲よくしませんか? 

2015年3月27日 加筆 東京すわん


CQDX


これは東京の話
私がオンエアしはじめたじきには23ch無線機が多くありました 3chや6ch12chというような固定チャンネル式の無線機
も多く存在しみんなが多23chの無線機を利用したいと思っていました
そんなときにデビューするのが46ch無線機です
23chの上のもう1セット水晶を積み。46ch化したものです。  
ところが一部の無線機はなんと本来出られないはずのEchで送受信ができる無線機が存在するのです
たとえばNASA46などが最初からEポジションで電波がでるのです
じつはこのECHは部品組み立ての段階でジャンパー線の追加で改造が可能になっていることが多くありました
解放型の23chのチャンネルスイッチはそとからみるだけでスイッチの構造がまる分かりになったものです
当時Echに出られるのは非常に名誉なことだったのです

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