27.300MHz アストラルプレーンアンテナ

 センター周波数 27.300MHzでつくりました

430MHz帯でよくみかけるアストラルプレーンアンテナ。その構造から低い周波数には不向きだったのですが、アバンティという会社から28MHz用として発売されていました。国内でも、KG−9000という名前で、販売されていたのをご存じの方も多いと思います。

このアンテナは3/4λアンテナで、27.300MHzで作ると、有効アンテナ長さが8.24mと巨大になります。

日高の5/8λ(VS−10GH)で6.8mですから、2m近くも長くなります。8M以上のものを自立させるのは困難なため、ベンド(曲げる)ことにより、有効長そのままで、インピーダンスマッチングを同時に行うという特異なアンテナです。有効長が長いので、VSWR1.5以下の範囲が1MHz以上あり、27.300MHzセンターで作ると、26.5MHzー28.5MHZあたりまで、実用になります。

 ただ、この特異の形状と、CBバンドの衰退により、姿を消してしまいました。今回は、このアストラルプレーンを製作してみましたので、紹介します。

                    

▲ アストラルプレーン                                 ▲ J型アンテナ

アストラルプレーンの3/4λのうち下半分はマストとのストレーで同調回路を形成します。このアンテナのリングの部分をもって伸ばしてみると。(左の図)2本のアンテナが近接して配置されており、その形状は、J型アンテナとよーく似ていますね。

J型アンテナの給電部分を変更したものと作動原理では同じなのでしょう・

ただ、。平衡型アンテナ不平衡⇒平衡変換回路が必要になります


設計方法

まず、電気的波長を計算して各部の長さを出します。

 

<中心周波数の設計>

 

伝搬速度300÷周波数(MHz)=波長(m)    数式1

300÷27.300MHz=10.98901099m  で約11mですね。

みなさんが11mといういうのは、この電気的波長が11m、あるからなのです。

図の1の点から3の点まで2.747m。のこり、3の点から7の点まで5.49mになれば、3/4波長になります。ちなみにA点、B点の間隔は、1/4λのさらに1/9 になり、約30.525cmにします。

1番下のスカートの部分は、折り返し部分をまっすぐにおろしてしまうと、容量成分が大きくなってしまう対策だとおもわれ、リング部分でC分を下げているものだとおもいます。

しかし、計算長でつくると導体の遅延などがあり、計算長を元にして、入手しやすい長さに書き換えたのが下記寸法です。

 

 

 

 

▼細かい寸法

 


作り方

部材は、アルミパイプなどをまげて作ります。

 

 

 

 


マッチング回路の製作

シュペルトップマッチング(不平衡、平衡変換回路)

本アンテナは、アンテナ給電部分でGND側が浮いた構造になりますので、シュペルトップ(バズーカーマッチ)という方法で、マッチングさせ、その同軸を通して50Ωの同軸に接続をします。

 

工作するのは、5D−2Vなどの50Ωケーブルを使用します。太いほうが、パワー的にも有利なのです。100Wくらいまでは、5D、500wくらいまでならば10Dを使用してください。KW以上になると同軸ではマッチングさせるのは難しくなりますので、入力は500Wまでにしてください。

まず最初に電気的1/4λの同軸を測定してカットします。

図が分かりにくいですが、仮に

27MHZを作る場合 1/4λに切ったら先をショートします。←重要 それでディップを確認

 

 

 

ディップメータで同軸の共振周波数を測定する。27.300MHzを中心にすると、1.83mでディップするはず。これはあくあまでも計算値。ディップメータで測定した実測値が得られればそっちを優先。

 

同軸のが切れたら、同じ長さの同軸のシールド線を用意して、根元の部分を同軸の外皮側にハンダつけをして

キレイにかぶせておく、1/4λのケーブルもう1回シールドするという形状になります。

 

 

 

シュペルトップ(バズーカ)マッチングセクションの出来上がり。

コネクタ一見ロスになりがちだが、そこからアンテナになる区別になる。


CBに最適な同軸ケーブルの長さ

同軸ケーブルのなかには「電波」が流れます。

電波が同軸ケーブルなかを流れると、その周波数の電気的波長(λ)により電流が大きい部分と小さい部分ができます。

1)電流の節(電流最小値)のインピーダンスは大きく2)電流の腹(電流最大値)ではインピーダンスは少なくなりますので、波長(λ/2)の両端は同じインピーダンスになります。

 つまり、同軸ケーブルは1/2λごとに、同一インピーダンス点があることになります。

1/2λごとカットして使用すればアンテナのインピーダンスと切った点のインピーダンスが同じになるため、より正確にSWRを測定できます。

センター周波数を27.300MHzの場合 

300÷27.300=10.989mになりますが、これは、空間に飛んでいるときの波長で、

物理的波長といいます。

しかし、電波は同軸などの金属中に流れると、移動する速度が遅くなります、この遅くなる率を短縮率といい、 「物理的波長」に「短縮率」をかけたものが=「電気長」になります。電気長」になります。  

 

5D-2Vなどの同軸ケーブルは「0.66が係数として代表的です。FB系ケーブルは0.8.

波長 10.989×0.66=7.25mが電気長ということになります。波長を表す時には、物理的波長と電気的波長を区別する必要があります。  

 

固定で使う場合は、無線機の出口からアンテナまでに長い同軸が必要になります.

無線機の至近に設置したSWRメータでは正確なswrではなく、アンテナ+同軸ケーブルをいっしょにしたものですのでアンテナ本来のSWRではないわけです。

そのため、同軸を切って長さを調整するとSWRが変化したように見えます。これが、

同軸を切って調整するという迷信の始まりではないでしょうか?。

そのため同軸の長さを切ってもSWRはよくなったように見えるだけで決してよくなったわけではありません。

ちなみに、アンテナ直下と同じSWRは、周波数の整数倍に現れますので、下記の長さで同軸をカットしておけば、

同軸端にアンテナ直下と同じ(であろう)SWRが得られるわけです。

3.626m
7.252m
10.879m
15.505m
18.131m
21.758m
25.384m
 

 

同軸は長く使うと、インダクタンス成分があらわれ、先にいくほど、短縮率が高まる傾向があります。つまり、同軸ケーブルは3.625m の整数倍でカットして使用します。

 

 

 

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